2021年6月25日金曜日

2013年に有害「オゾン」を含む実証実験?2019年にも新たな動き

 ◆はじめに

 こんにちは。久しぶりに当ブログを更新します。境浄水場の再構築計画は2015年から16年にかけて市民・市議会を巻き込んで地域の大きな問題になりました。その後、東京都水道局内の不祥事なども重なり(※)、一旦計画が白紙になったかのように見えますが、後述の通り水面下で事業が動いていましたので地域の方にご報告します。

※本件と東京都水道局の不祥事は直接の因果関係はないと見られますが、都民の信頼を大きく失墜させた事件でした。東京都水道局におかれては、2015年の住民説明会の工事計画から事業計画・工期を変更するのであれば、言いっ放しにせず、適時丁寧な説明を願います。


◆「随意契約」で締結した設計事務所が2回にわたり基本設計を受注

 境浄水場に関して、2019年4月に「境浄水場再構築基本設計委託事業その2」として基本設計の入札が行われています。T設計事務所が5346万円で落札していますが、実はこの入札の際、Nコンサルタントが入札手続きに参加しながら途中で「辞退」をしています。

 さらにその入札に遡ること5年半前の2013年11月には「境浄水場再構築実施設計委託その1」として5439万円の「随意契約」により、その2と同じT設計事務所が公開入札を経ずに東京都水道局から受注をしています。


◆基本設計委託事業その2には「オゾン処理施設」(2019年4月)

 東京都水道局の他の浄水場の立地(金町など河川敷内)とは異なり、境浄水場は住宅街のど真ん中に立地し、至近距離に公立中学校や集合住宅などが多数あります。そういった住宅地に「オゾン処理施設」のプラントを含む工事設計が行われています。人々の健康に重大な影響を与える「オゾン」を「大量」に扱う施設に関して、東京都は安全性に関する住民説明をおざなりにしたまま、水面下で事業が行われています。


<その2の内容>

・履行場所  東京都武蔵野市関前一丁目8番37号(境浄水場)

・工事概要  基本設計一式(着水井、急速かくはん池、フロック形成池、沈澱池、急速ろ過池、塩素混和池、浄水池、送水ポンプ施設、共同溝、場内配管、排水池、排泥池、濃縮槽、機械脱水施設、管理本館、薬液注入施設、受変電施設、自家発電施設、オゾン処理施設、生物活性炭吸着池)

・実施設計 一式(場内整備、緩速ろ過池撤去等)


◆基本設計委託事業その1では「オゾン処理」を含めた「水処理実験」が行われていた可能性(2013年11月)

 2015年に初めて行われた住民説明会に先立つこと2年前、2013年11月に「委託事業その1」が東京都水道局とT設計事務所の間で「随意契約」として締結され、地域住民への説明もなく「オゾン処理」を含めた「水処理実験」が行われていた可能性があります。東京都水道局は地域住民への丁寧な説明を行い、公開された入札・随意契約の情報で地域住民の不信感を招かぬよう、適切かつ丁寧な情報発信を願います。


 私たちは地域住民への説明を蔑ろにしたまま、危険物を扱う実証実験を行うことに強く反対します。もし公共性があり実証実験を行うのであれば、事前に地域住民に対して、オゾンの発生量、オゾンの漏洩対策、実験期間、環境への影響、地域の子どもを含めた安全対策について説明会を開くなど、公共事業を行う事業者としての説明責任を果たすべきと考えます(実験内容が不詳なため、一般論としての意見表明です)。


<その1の内容>

・履行場所  東京都武蔵野市関前一丁目8番37号(境浄水場)外1か所

・工事概要  実施設計一式(着水井、急速かくはん池、フロック形成池、沈殿池、急速ろ過池、塩素混和池、浄水池、送水ポンプ施設共同溝、場内配管、排水池、排泥池、濃縮槽、機械脱水施設、管理本館、薬品注入施設、受変電施設、自家発電施設、オゾン処理施設、生物活性炭吸着池、粉末活性炭注入施設、粉末活性炭接触池、その他浄水施設の稼働に必要な施設等)、水処理実験一式(実験施設設置・撤去含む)